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SIerから自社開発への転職|難しいと言われる理由と突破法

「SIerから自社開発に行きたいが、自分の経験で通用するのか分からない」。 そう感じている方は多いはずです。結論から言うと、SIer出身でも自社開発への転職は十分に可能です。ただし、環境の違いを理解しないまま動くと、選考でも入社後でもつまずきます。

この記事では、SIerと自社開発の違い、「不利」と言われる理由の実際、経歴の見せ方、移る前の準備までを整理します。先に市場価値診断で今の経験の相場を確認しておくと、この後の内容がより具体的に読めます。

SIerと自社開発は何が違うのか

まず前提として、両者は「良い・悪い」ではなく仕事の構造が違う環境です。主な違いを4つの観点で整理します。

開発プロセス

SIerは受注型なので、要件定義→設計→実装→テストと工程を区切って進めるのが基本です。納期と契約が起点になります。 自社開発は自社プロダクトを継続的に改善し続けるスタイルが中心で、小さくリリースして数値を見て直す、の繰り返しです。「完成」がない代わりに、意思決定のスピードが速い環境です。

評価のされ方

SIerではプロジェクトの完遂・マネジメント・顧客折衝が評価されやすく、役職や工程の上流化がキャリアの軸になります。 自社開発ではプロダクトの成果への貢献(機能の改善、開発速度、技術的な意思決定)が評価軸になりやすく、コードを書き続けたまま昇給していく道も一般的です。

技術スタック

SIerはJavaや.NETなど実績のある技術を堅く使う傾向があり、インフラや帳票などレガシーな領域も多く扱います。 自社開発、特にWeb系ではモダンなフレームワークやクラウド、CI/CDを前提とした開発フローが標準になっていることが多いです。ただし自社開発でも古いコードベースを抱える企業は普通にあります。

カルチャー

SIerはドキュメントと承認プロセスを重視し、品質と説明責任を担保する文化。自社開発は個人の裁量が大きく、自分で決めて自分で動くことが求められる文化です。

ここで大事なのは、自社開発が誰にとっても正解ではないことです。工程を計画通りに進める仕事や、大きな組織を動かす調整に手応えを感じる人にとっては、SIerの方が力を発揮できる場合もあります。「裁量が欲しい」のか「今の現場が嫌なだけ」なのかは、動く前に切り分けておきましょう。

「SIer出身は不利」と言われる理由と実際

「SIerから自社開発は難しい」と言われる背景には、採用側が持つ次のような懸念があります。

  • コードを書いてきた量が読めない:管理や設計中心で、実装経験が薄いのではないか
  • モダンな開発フローの経験がない:Git・コードレビュー・CI/CDを日常的に使っていないのではないか
  • 受け身なのではないか:決められた仕様をこなす働き方に慣れているのではないか

裏を返せば、この3つの懸念を面接と書類で払拭できれば、SIer出身であること自体は不利になりません。実際、自社開発企業には SIer 出身のエンジニアが数多くいます。問題は出身ではなく「懸念に答える材料を用意しているか」です。

実は評価されるSIer経験と「翻訳」のしかた

SIerでの経験には、自社開発企業がむしろ欲しがっているものが含まれています。ただし、SIerの社内用語のまま伝えると価値が伝わりません。相手の文脈に翻訳するのがポイントです。

  • 要件定義・顧客折衝 → 「ユーザーや事業側の要望を仕様に落とす力」。自社開発ではPdMやビジネス側との協働に直結します。
  • 大規模システムの運用・保守 → 「障害対応・可用性・運用設計の経験」。トラフィックの大きいサービスを持つ企業ほど重視します。
  • 品質管理・テスト工程の経験 → 「テスト設計の観点とリリース品質への意識」。テストを書く文化のあるチームで強みになります。
  • 多職種・多社間の調整経験 → 「規模の大きい開発を前に進める力」。組織が拡大中の企業で評価されます。

「工程」や「体制」を主語にせず、自分が何を判断し、何を改善したかに言い換えるのが翻訳のコツです。

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職務経歴書での見せ方|Excel設計書文化の経験をどう書くか

書類で最も差がつくのが、SIer特有の経験の書き方です。

NG例:「基本設計書・詳細設計書の作成を担当(Excel)」 これでは「Excelで書類を作っていた人」としか読まれません。

OK例:「決済システムの基本設計を担当。外部インターフェースの整合性を3社間で調整し、設計起因の手戻りを削減」 成果物の名前ではなく、設計として何を考え、何を防いだかを書きます。

書き方の型は次の3点です。

  1. 規模を数字で示す:ユーザー数、トランザクション量、チーム人数、期間
  2. 担当と判断を明確に:「参画」ではなく「自分が設計した/決めた/改善した」
  3. 個人の開発経験を併記する:業務でコードを書く機会が少なかった場合、個人開発や学習の内容を書いて実装への意欲を示す

この型に沿って整理するなら、職務経歴書メーカーを使うと項目を埋めるだけで骨子が作れます。

移る前にやっておく現実的な準備

選考前の準備は、背伸びせず次の2つに絞るのが現実的です。

  • コードを書く習慣を作る:週数時間でも、動くものを継続的に作る。凝ったポートフォリオより、GitHubに継続したコミットがあることの方が「書ける人」の証明になります。
  • モダンな開発フローに触れる:Gitでのブランチ運用、プルリクエストとコードレビュー、CI/CDでの自動テスト・デプロイ。個人開発でも一通り再現でき、面接で「経験がある」と言える状態になります。

逆に、資格の追加取得や網羅的な学習は優先度を下げて構いません。採用側が見たいのは「知識」より書き続けられるか・キャッチアップできるかです。数ヶ月の準備で選考の通過率は大きく変わります。

よくある質問

Q. SIerから自社開発への転職は何歳まで可能ですか? A. 年齢そのものより経験の中身で判断されます。30代以降は要件定義や運用などの強みを翻訳して示せれば、マネジメント経験と合わせて評価されるケースも多くあります。

Q. 実装経験がほとんどなく、管理業務が中心でした。無理でしょうか? A. すぐにWeb系の開発職は難しくても、個人開発で実装力を示す、PdM・PMOに近い職種から入るなど経路はあります。まず現在の市場価値を確認し、届く求人から逆算しましょう。

Q. 自社開発に行けば年収は上がりますか? A. 一概には言えません。上流経験が評価されて上がる人もいれば、実装力の評価により一時的に下がる人もいます。目先の額より、数年後の技術資産で判断するのがおすすめです。


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